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奥田弦くんのジャズワールド岡山公演に行って参りました。

 

まとめることを諦めて書き殴った結果、文章量が増えに増え…

レポートいうより自分用の記録みたいなものです。

主観やら記憶違いやら語彙不足やら、いろいろ入り混じっています。

 

本当に本当にただ無駄に長いだけの感想文なので、引き返していただいても、適当に読み飛ばしていただいても結構です。


拍手

◆第1部◆

北斎

にこにこしながら登壇したかと思えば、黙ってすっとピアノの前に座り、まるで挨拶代わりとでもいうように、のっけから大迫力の演奏をぶつけられました。ステージが怒濤と静謐に満ちて、その渦の中心で流れるような彼の指先が非常に美しかったです。

 

迫真の演奏が終わった後、マイクをとって笑顔で「こんにちは!奥田弦です」と挨拶。一気に和みオーラ放出。

 

トルコ行進曲

耳馴染んだ曲が奥田くんのアレンジで、どんどん生まれ変わっていく様に引き込まれました。編曲の配分というか、組み込み方が絶妙なのです。ちらりちらりと変化が訪れたかと思えば、次の瞬間にはぶわぁーと奥田くんワールドに塗り替えられていく感じ。

 

ブラックコーヒー

「ミルク:コーヒー=91が黄金比率」と言いながら演奏する彼のブラックコーヒーは、とても苦くて大人っぽい。ずるい。深煎りのコーヒーがカップの中で揺蕩う様子が目に浮かぶようでした。演奏後に「ミルクは混ざっていなかったでしょうか?」って訊ねるの格好良い。ずるい。

 

ネコふんじゃった

踏みすぎなくらいのネコふんじゃった。とても賑やかて楽しい演奏でした。一気に騒々しくなる直前の、くるぞくるぞ感がたまんなかったです。

 

 

1部前半の演奏が終わったところで、司会の遠藤寛子さんとのトーク。

ピアノとの出会いや、作曲を始めた経緯などを紹介した後、現在の高校生活の話題に。触れる音楽の幅が広がったこと、友達と好きな曲や小説について語り合ったりすることを、「青春だなぁ」と感じているようです。

そして語学にも興味を持っているらしく、エスペラント語が「美しい!」と熱弁していました。例えば英語の「a」は単語によって[æ][ə]など様々に発音が変化しますが、エスペラント語はそういった例外が存在しない美しい言語なのだとか。(←知識皆無なので誤ったこと書いていたらすみません)

つまり、譜面上の音符のようなものでしょうか。五線譜に配されることで正しい音を読み取ることができる。

調べてみると、エスペラント語は「母語の異なる人々の間での意思伝達を目的とする人工言語」。言葉の壁を超える音楽と同じ性質を、彼はその言語に見出して惹かれたのかもしれない、と思ったのでした。(勝手な解釈です)

 

 

そして第1部後半の演奏へ。

ダンスダンスダンス

今年の夏休みに作曲したばかりのもの。
「料理はできたてが一番美味しいですが、音楽も一緒。完全ではないけれど、新鮮な味わいがある」。なんて素敵な感性。

ビッグバンドを想定して作った曲で、前日の香川公演では協演もしたそうですが、ピアノソロでも十分に迫力がありました。

 

Get Over

困難を乗り越えていくことをイメージした変拍子の曲。
「拍子とかは気にせず聴いてください。もしも、いや自分は数える!という方がいらっしゃれば、それも楽しめると思います」とのこと。

私が今回の公演の中で一番好きだー!と思った曲でした。アップテンポで次々と音が重なっていきます。溢れるこの音群を彼は一体どうやって制御しているのか…とひたすら圧倒されました。

演奏後、「拍子は数えられましたか?」とあの和みオーラで訊ねる奥田くんに、「数えられるかー!」と客席一同からの心のツッコミが聞こえた気がしました。笑

種明かしとして、「8分の7拍子と、5拍子と、8.5拍子と…」(←違ってたらごめんなさい)と曲中で用いられている拍子を列挙しだす奥田くん。観客は「???」の状態。これが件の「変拍子オタク」か、と思いました。笑

 

古の歌

こちらも夏休みに作曲したもの。ミュシャの絵画《スラヴ叙事詩》が創作のきっかけになったそうです。

異国の御伽話を連想させるような始まり。穏やかな曲調かと思いきや、突如激しく波打ち、高音に向けて光の粒子が吹き抜けていくようでした。(だれか文章力ください…orz

実は私も大学時代の卒論の題材が《スラヴ叙事詩》で、今年の東京の展覧会にも足を運びました。私は演劇の観点から論及したのですが、奥田くんが音楽の観点から迫るとこうなるのかと。絵画はあくまでもきっかけで、ミュシャをイメージした訳ではないとのことですが、これほど膨大な情報量を読み取り、それを音楽に変換してしまう逸才に感服します。わたしも卒論当時は図版と長い間向き合いましたが、今回奥田くんの演奏によって、まったく新しい視点と雷のような衝撃を与えられました。

 

 

◆第2部◆

まずは奥田くんのピアノと、司会・遠藤さんの朗読のコラボレーション。

いずこ~ふたたび歌を空に翔ばそう

阿久悠さんの詞にのせて、とても優しい旋律が響きました。歌を空に、という概念は、なんだかモンストロを連想させますね。遠藤さんの朗読も非常に美しかったです。

 

でんでんむしのかなしみ

新美南吉のおはなしに添い、あまりにも明瞭で理知的で整然としていて(語彙力…orz)、なんて計算され尽くした構成だろうと聴き惚れたのですが、演奏後に「即興なんです」と聞いて、「!?!?!?」となりました。おそるべき奥田くんの即興力。

 

次は、あなたも作曲家のコーナー。

観客からテーマをもらい、奥田くんがそのイメージに即興で曲をつけるというもの。

まずは例として、遠藤さんが提示した「岡山」をテーマに作曲。『桃太郎』のアレンジが盛り込まれたリズミカルな曲でした。ほんとに観光局とかで使えばいいのに。

 

最初に選ばれた男の子のテーマは「冬」。理由はムジカ・ピッコリーノの『北風小僧の寒太郎』が好きだから。歌を聴くと「落ち着く」と男の子が言ったので、曲調は渋く落ち着いた、北風の厳しさと煌めきを感じさせるものになりました。男の子大満足。

 

続いての女の子は、手を挙げたもののいざ選ばれると緊張してテーマを答えられず。「お洒落が好きで恥ずかしがり屋で、でも普段は元気な女の子」という、その子自身をイメージした曲を演奏することに。恥ずかしがり屋のパートがすごく可愛らしい曲でした。

 

次は、観客が指一本で鳴らした音を、奥田くんがアレンジしていきます。

今回も最初に遠藤さんがチャレンジ。イメージは「青空、スキップ、途中で石につまずいてこける、でも気にせずまたスキップ」。イメージ通り、とてもメリハリのある曲になりました。曲名は「まぁいっか」に決定。

 

1人目の女の子。イメージは「きらきらした星をお母さんと見ている」。奥田くん「純粋だなぁ…」としみじみ。笑

そして女の子が指一本で鳴らした音を、奥田くんがなぞって曲が展開していきます。静かに透き通った情景で、最後に『きらきら星』のアレンジも組み込まれていた気がします。(気のせいかも…)曲名は「夜空の星」。

 

2人目の女の子。イメージは「ひらひらときれいに散っていく桜」。とても雅で儚く、和の趣きを感じました。この曲すごく好きでした…!女の子もイメージそのまんまだと喜んでいました。曲名は「散る桜」。

 

 奥田くんの周りには常に音楽の「素」みたいなものが漂っていて、彼はその流れを巧みにつかまえて形にする。でも即興ゆえにすぐに失せてしまう。新しい音楽が次々と生まれては消えていく光景を目の当たりにして、いよいよ涙腺がやばかったです。


 

観客とのコラボレーションも終了して、コンサートは終盤へ。

Moanin'

「美の壺」などでおなじみですね。タイトルの意味が「嘆き」だと知ってから、曲の冒頭は失敗談、次に続く旋律は「あーぁ」という溜息に聴こえるようになった、という奥田くんのエピソード。なるほど確かにそう聴こえる!彼は常に曲や譜面と対話しているのだと思いました。

 

月光

ジャズと銘打ったコンサートでしたが、最後に変化球でアレンジなしのクラシック。第3楽章が最も好きなのだそうです。情熱的な楽章は確かに奥田くんらしい。もう圧巻でした。なんでも弾きこなしてしまうのですね。

 

すべての曲目が終わりましたが、拍手は鳴りやまずアンコール。

My Favorite Things

原曲の歌詞では「バラの雫」や「仔猫のひげ」などお気に入りのものが次々と挙げられていきますが、奥田くんのアレンジでは、どんなお気に入りが歌詞に織り込まれているのだろうと想像しながら聴きました。それは例えば「ピアノ」であったり、「ほとんどミルクなコーヒー」であったり、「ビル・エヴァンス」であったり…。いろんな奥田くんのお気に入りがトーク中に飛び出したので、そんな彼にぴったりな選曲だと思いました。

 

ジングル・ベル

さらに拍手は続きアンコール2曲目。クリスマスが近いということでこの選曲。ポップでお洒落で華やかなアレンジ。演奏が終わり拍手喝采の中、「あ、今の即興でした」と思い出したようにあっさりと言われ、また「!?!?!?」ってなりました。笑

 

 

 

以上でコンサートは終了。

奥田弦くんは、レオくんの衣装に身を包んでいる時とは、まったくの別人でした。クールなレオくんも大好きですが、奥田くんは常に笑顔で、トークが上手で、挙動ひとつひとつが愛らしいのです。譜面台にあったのも、やっぱり楽譜じゃなくてカンペでした。笑

 

客席を見て「笑顔が多い」と言う奥田くんに、「それは弦くんのピアノ力と、弦くんスマイルのおかげ」と遠藤さんがおっしゃっていましたが、本当にその通り。弦くんスマイルを見ていると、こちらも自然と笑顔になってしまうのです。

幸せな時間を、ありがとうございました。

是非、また彼の演奏を聴きに行きたいです。

 

 

もしも最後までこの拙い感想文を読んでくださった方がいらっしゃいましたら、貴重なお時間を割いていただいて本当にありがとうございました。


 

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